健康寿命を決めるのは体質ではなく習慣です

日本は平均寿命、健康寿命ともに世界に類を見ないほど長く、
国民の健康にすぐれた力を持つ国として知られています。
そのようなデータを示すと、
まるで「日本人」という遺伝的な体質が他の人種の人に比べて健康維持が
しやすくできているかのような印象を受けてしまいますが、それは大きな間違いです。

興味深い研究の例を挙げると、ブラジル南部にはポルトアレグレという街がありますが、
この郊外地区にはかつて20世紀前半に日本から大量にわたった移民が作った地域があります。
この日系移民地域からわずかに離れた別の地域には、
同様にイタリアからわたったイタリア系移民たちの生活地域があります。

この二つの村に暮らす人たちの生活スタイルを比較してみたところ、
日系移民村では現地ブラジルの食生活に近い肉類中心の食生活を送っていましたが、
イタリア系移民村ではイタリアでの食生活を継続し自分たちでトマトやルッコラ、
黒ブドウなどを栽培してイタリアの伝統的な食生活を送っていました。

二つの村は気候や地域的な環境はほとんど同じにもかかわらず、
平均寿命は日系移民村では50~60代にとどまり、
イタリア系移民村では70~80代にまで伸びました。
この研究が明らかになったことにより、日本人の平均寿命・健康寿命のもととなっていたのは
遺伝的な体質ではなく、食生活に秘密があることがはっきりしたのです。

野菜類の豊富な栄養分を日常的に取り込むことは、
体内の老化現象を防ぎ内臓の機能を活発化してくれます。
ただ野菜類による栄養摂取が効果をもたらすのは健康維持面であり、
すでに大きな病気にかかってしまったのちに治療として用いることはできません。

病気にならないような体質を作っていくという方法を「予防医療」と言いますが、
近年医学会では治療よりもこの予防がより重要であるとして
さまざまな方法が研究・開発されています。
病後の検診などでも必ず「食生活の改善」が促されるかと思われますが、
肉類の多い偏った食生活を長く送っていると、
内臓脂肪を増やし血液の状態を悪化させてしまいます。
社会問題化している「メタボリック・シンドローム」ですが、
これは現在成人の3~4人に一人の割合で生じているというデータもあり、
生活習慣病の予備軍を大量に生み出してしまっています。

食生活の改善による健康維持で大切なのは、
何か特定の食品のみに頼るようなことはしてはいけないということです。
よくテレビやメディアなどでは定期的に「納豆がよい」「トマトがよい」といったように
あたかもそれだけを食べていれば健康維持ができるかのような取り上げられ方がされますが、
食生活の改善という観点においては、そのような偏食はむしろ逆効果です。
毎日の生活で食べる食事にできるだけたくさんの種類の野菜を
とるようにしていくということが、本来的な効果を生み出すための方法です。

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